男だけの晩かぁ・・・

　時は、７月。
　３連休の初日の土曜日。
　むちゃくちゃキャンプ日和の天気です。
　休出していた仕事場からクドウパパに電話をかけました。
　クドウパパ達は一足早く、落合で川下りをしたはずです。
　「明日は何時ごろから川下りを始めますか？」
　「１０時頃から始めるつもりです」
　「では、９時ごろにはそちらに着くようにします。今日はどうでした？」
　「今日は漕いでないんです。さっきまで釣りをしていました」
　「え？なぜ？」
　「・・・いや、まあ、いろいろありまして」
　電話での会話はそこで終わりました。何があったのでしょうか？
　翌日、6時半に家を出て、３時間もかけずに南富良野町・落合に到着しました。
　十勝とあまり変わらないけど、日勝峠を越えなくてもいいから運転は楽ですね。
　昨年もお世話になった落合仙人の『落庵』に、クドウ家の巨大タープが張ってありました。
　タープの下で朝食をとっていたのは、クドウパパ、昆布Ｔ氏、マキタさん、タカギさん、シロクマさんでした。それと、落合仙人。
　「おはようございます。今日はこれだけですか？少ないですね」
　「ナカジマさんとシラタさんが、やってきたそうそうに朝練に行っています」
　「それは、元気ですねぇ」
　一方、タカギさんが元気なさそうでした。
　タカギさんは３８度の高熱を押してやってきて、昨日はずーっとテントの中で寝ていたそうです。
　「もう大丈夫なの？」
　「・・・だいじょうぶです・・・」
　弱々しい声でこたえました。ぜんぜん、大丈夫じゃないです。
　前日は、タカギさんが寝込んでいるし、人数も少ないので川下りを中止したそうです。
　そのかわり、落合仙人の指導で、フライとルアーの渓流釣りをして、見事に釣果を上げたようです。
　それもいいですね。落庵の裏はシーソラプチ川です。
　朝練の二人も戻ってきて、予定通りに１０時に行動を開始しました。
　いつものシーソラプチ川をダウンリバーです。
　クドウパパ、ナカジマさん、マキタさん、タカギさんがOC１。
　シラタさんと昆布T氏がカヤック。
　落合仙人と、シーソラプチ初心者のシロクマさんがペアになってＯＣ２。
　そして、私が豪転号（HIVIX　FK400）です。
　人数が少ないので、時間をかけずにさっさと漕げるだろうということで、午前中は国体コースまで、午後は国体コースから山畔橋までのダブルヘッダーの予定となりました。漕ぎ応えがありそうです。
　水量は、前日の雨のおかげでややにごっていますが、必要十分です。ありがたいありがたい。
　クドウパパを先頭に、スタートしました。
　気持ちいい！
　初めてこの川を下ったときは、ヒヤヒヤものでしたが、大歩危・小歩危を経験した後では、余裕のよっちゃんです。
　すぐに、いやらしい隙間を持つ岩が川の中央に顔を出す、『五龍の瀬』の落ち込みにきました。
　遠目にはわかりずらいんですよね。
　いきなり、クドウパパと落合仙人＆シロクマさんペアが重なりあって消えていきました。なむぅ。
　３人を引き上げて、ほどよい瀬をスイスイと進みます。
　シーソラプチ川の曲者の落ち込みにやってきました。
　マキタさんがなぜか苦手としている所です。
　いつも左から回り込むように下り、下り終わったところで、変なストッパーにひっかかります。
　「あのストッパーがいやなんですよね」
　すると、落合仙人が、
　「勢いよく、まっすぐに行けばいいんだよ」
　ほう、なるほど。
　言われたとおりに、ど真ん中を下ったら、すんなりとクリアできました。
　（なんだぁ、簡単だなぁ）
　と後続を待っていると、どんぶらこ、どんぶらこ、昆布Ｔ氏とマキタさんが沈脱してきました。
　そして、ナカジマさんのカヌーだけが流れてきました。あれれ。
　レスキューロープを投げている間に流してしまったようです。
　あっという間に、国体コースの入り口まできました。午前の部、終了！
　ＡＣＣの金太郎さんと合流して、落庵に戻り昼食です。
　昼食はクドウパパ特製のウドンでした。
　ナカジマさんとシラタさんは、
　「１杯だけ！」
　といって、タカギ・ビール部長が設置した生ビールサーバーからビールをそそぎ、美味しそうに飲んでいました。
　七輪に火が入り、焼肉まで出てきて、なんか宴会がスタートしちゃいました。おいおい。
　「なんか、もうカヌーしなくていいなぁ」
　「そうですねぇ」
　そのまま宴会というわけにもいかなくて、午後は国体コースで瀬遊びすることになりました。
　結局、ナカジマさんとシラタさんは生ビールを４杯も飲んでいましたよ。
　午後２時から再スタートになり、３段の瀬まであっさり下りました。
　３段の瀬の下で、しばし瀬遊び。
　ヨッパライ運転のナカジマさんとシラタさん・・・沈脱。
　パチンコ岩を下り、その下の瀬で最後の瀬遊び。
　シロクマさんは、午後から自分のダッキーを持ち出していたのですが、ここで瀬遊びして撃沈。
　クドウパパとシロクマさん、ダッキー２人乗りで撃沈。
　クドウパパとマキタさんとシロクマさん、ダッキー３人乗り・・・バランスをくずしたシロクマさんだけ落ちました。
　浮き上がってきたら、あれれ、パドルがぽっきり折れていました。
　そんなのをヘラヘラと見ていたら、いきなりタカギさんが豪転号に上がってきて、瀬の中でひっくり返されてしまいました。
　君は、熱があるんじゃなかったのかい！
　酔っ払いシラタさんに、豪転号を貸すと、いまだかって見たことのないワイルドな動きで、豪転号が瀬の中を駆け巡っていました。
　「いいねぇ、豪転号、リーンかけやすいし、俺、豪転号で小歩危に行けるよ」
　わぁー、何を言い出すんですか！
　ゴール地点はなんか改装されて、ゆるやかなコンクリートの階段になっていました。
　午後４時、金太郎さん、ナカジマさん、マキタさん、帰宅。
　シラタさんも帰宅予定でしたが、生ビールの誘惑に勝てず、早朝直接出勤するといって、さっそく酔っ払っていました。
　地元の又三郎さん、到着。前日も又さんは夜だけ参加していたそうです。
　この男だけの少人数で、夜を迎えることになりました。
　毎度のことですが、星空がすごくきれいです。
　前の晩には、ホタルが１匹だけ出てきたそうです。
　仙人によると、毎年１匹だけ見るそうです。
　でも、一番盛り上がったのは、シラタさんの危ない話でした。危なすぎるので、ここには書けません。
　そういえば、シラタさんが女の子を紹介してくれるという話を忙しくて流しちゃってたな。すみません。
　さすがに落合、夜になるとすっごく冷え込みました。
　１２時過ぎに就寝。
　朝４時半頃、ニワトリの鳴き声と明るさで目が覚めてしまいました。
　シラタさんはちゃんと起きて出発したようです。
　昼までだらだらと落庵の庭で過ごし、帰宅しました。
　それもまた良し。



※写真はクドウパパと又三郎さんが撮ってくれました。

タイトル元ネタ
『男たちの挽歌』　監督：ジョン・ウー　主演：チョウ・ユンファ
　香港映画＝ジャッキー・チェンと思われていた８０年代に、派手なガンアクション（一部実弾を使用したといわれる）で大ヒットした『香港ノアール』の先駆け的映画。見ていないけど。
　ジョン・ウー監督は、今ではすっかりハリウッドのヒットメーカー、チョウ・ユンファも『グリーン・デスティニー』などで現役バリバリです。
（１９８６　香港）